Tokyo Metropolitan University
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アイデアソン

2018.11.13

第4回アイデアソン ウェルスナビ株式会社代表取締役CEO 柴山和久 様

ウェルスナビ株式会社 代表取締役CEO 柴山 和久 様
ウェルスナビ株式会社 代表取締役CEO 柴山 和久 様

9月19日(水)に第4回アイデアソンを開催しました。今回は、ウェルスナビ株式会社 代表取締役CEO柴山和久氏をゲストスピーカーとしてお迎えしました。

東京大学法学部、ハーバード・ロースクール、INSEAD卒業。ニューヨーク州弁護士。日英の財務省で合計9年間、予算、税制、金融、国際交渉に参画する。その後、マッキンゼーでは、ウォール街に本拠を置く機関投資家を1年半サポートし、10兆円規模のリスク管理と資産運用に携わる。次世代の金融インフラを構築したいという想いから、2015年4月にウェルスナビを創業。

 

 

KEY SPEECH 

創業のきっかけ 
創業のきっかけ

柴山氏は大学を卒業後、財務省、世界的経営コンサルティング会社のマッキンゼーを経て、2015年4月に資産運用サービスの開発を手がけるウェルスナビを創業されました。

マッキンゼーでは、資産10兆円規模のウォール街の機関投資家をサポートすることが主な仕事で、ノーベル賞の受賞者が提唱した投資理論に基づくアルゴリズムをベースとした資産運用システムを作っていたそうです。その中で、アルゴリズムを使えば、10兆円でも100万円でも同じように資産運用できるはずだと気づきます。

同じ頃、アメリカ出身の奥様のご両親が、勤務先の福利厚生の資産運用サービスを利用し、若い頃から「長期・積立・分散」の資産運用を続けてきたことを知ります。年齢も学歴も職歴もそれほど変わらないのに、給与を銀行預金に委ねてきた柴山氏のご両親と、資産運用を続けてきた奥様のご両親では、資産に10倍もの差があり、愕然としたそうです。

こうした二つの経験が原動力となって、ウェルスナビを創業しようと決意されました。

ウェルスナビがしていること

ウェルスナビでは、ロボアドバイザーシステムによる資産運用サービスをアプリで提供しており、最低10万円から資産運用することができます。アプリ上で6つの質問に答えると最適な資産運用プランで自動的に運用される仕組みになっています。

2018年9月時点の運用者数は9万人。1人当たりの平均運用額は110万円で合計預かり資産は1,000億円にも及びます。運用者の内、2人に1人は自動積立機能を利用し、平均3万2,000円を毎月積み立てているそうです。サービス利用者層は20~50代の働く世代が94%を占め、仕事や子育てで忙しい現役世代の資産運用のツールとして、重宝されています。

「長期・積立・分散」が資産運用の基本 

こうしたサービスが重宝されている背景には、これまでに現役世代を対象とした資産運用サービスを提供する金融機関があまりなかったことに加えて、退職金の減少や年金制度への不安増大により資産運用に対する意識が高まっていることがあるようです。

しかし、そもそも資産運用はどうすればいいのでしょうか?柴山氏曰く、資産運用の基本は、「長期・積立・分散」だと言います。日本の経済成長が停滞している間でも世界全体では経済成長し続けていることや、金利と債券価格の関係、そしてウェルスナビ独自のシミュレーション結果をもとに「長期・積立・分散」の有効性を教えて頂きました。

ロボアドバイザーの優位性 

しかし、資産運用の基本を理解したとしても、人間は感情に左右されるため、株価に一喜一憂し、短期売買に走りがち。一方、ロボアドバイザーは、人間の感情に妨害されずに「長期・積立・分散」の基本に沿った資産運用が可能であるため、ウェルスナビのようなサービスが重宝されるわけです。

ウェルスナビでは、現状のサービス提供に飽き足らず、東京大学の松尾研究室と共同研究でAI資産運用を開発するなど、誰もが富裕層向けのプライベートバンクと同等水準の資産運用サービスを受けられる社会を目指して、ロボアドバイザーの精度向上に注力しておられるとのことでした。

さいごに 

KEYNOTE SPEECHの後のQ&Aセッションでは、AIの将来性や今後のビジネス展開の計画、スタートアップにおける仲間集めなど多岐にわたる質問が参加者の皆さんから寄せられ、一問一問丁寧にお答え頂いたところで時間いっぱいとなりました。

Q&Aセッションの中で、金融や観光などの規制産業でのスタートアップにとっての、共通の課題や可能性が浮かび上がってきたことが印象的でした。

観光領域のビジネスでもAIによる旅先のリコメンド・サービスはじめ、AIは様々なサービスに活用されはじめていますが、実際にAIを活用して、新たな金融サービスを立ち上げられた柴山氏からお話をお聞することでき、とても貴重な機会となりました。

次回は、WAmazing 代表取締役CEO 加藤史子氏をゲストにお迎えします。

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