Tokyo Metropolitan University
Tourism Strategy

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アイデアソン

2018.08.25

第3回アイデアソン 観光×IoT ゲスト 81plus株式会社代表取締役 岩本義樹 様

81plus株式会社 代表取締役 岩本 義樹 様
81plus株式会社 代表取締役 岩本 義樹 様

7月9日(月)に第3回アイデアソンを開催しました。今回は、81plus株式会社代表取締役・岩本義樹 氏をゲストスピーカーとしてお迎えしました。

東京都生まれ、横浜育ち。NECパーソナルプロダクツ株式会社に入社後、パソコンやタブレットの商品戦略/企画や新規事業を担当。独立後は、NECレノボジャパングループ、株式会社XPJP、渋谷区観光協会、キュレーションズ株式会社、各社・団体でCXディレクター、ビジネスリーダーとして活躍。2017年10月に81plus株式会社を設立し、代表取締役に就任。2018年4月からは、一般社団法人渋谷未来デザインに参画。

KEY SPEECH

顧客体験のデザイン

岩本氏はNECに入社後、パソコンやタブレットの商品戦略/企画や新規事業を担当し、2016年に独立されました。「課題解決型ではなく、可能性創造型で顧客体験をデザインすること」をミッションに、様々な事業をプロデュースされています。現在は名刺を6種類ほどお持ちで、今回のKEY SPEECHでは観光関連の事業を中心にお話をしていただきました。

Diamond Route Japan

福島県・栃木県・茨城県を結ぶ、新たな広域周遊ルートの外国人観光客向けブランディング事業「Diamond Route Japan」にCX Directorとして参画。旅行者が旅先を決定する意思決定プロセスの中で、段階に合わせたデジタル施策を展開して、顧客体験をデザインされました。「Diamond Route Japan」では、グーグルと連携しデジタルマーケティングを実施。その結果をもとに海外目線でエモーショナルな「History」「Outdoor」「Nature」「Healthy」「Digest」の5つの映像を制作し、ターゲット層に配信。視聴回数も累計約2,080万PV以上を獲得し、コストパフォーマンスの高い情報発信を実現されました。

地域では当たり前となっている風景や慣習を外国人の視点で掘り出してエモーショナル映像に落とし込み、デジタル・マーケティングにより明確なターゲット層に配信するという先駆的な観光プロモーションを展開され、各方面からも高く評価されています。

京都二条城でのARプロジェクト

大政奉還から150周年を迎えた2017年には、京都の二条城をアニメキャラクターと一緒に探検するARツアーを期間限定の企画として実施されました。体験者はPHAB2 Proを使うことにより、あたかもその空間にアニメキャラクターが存在しているように見え、キャラクターと一緒に二条城の歴史や建物について、楽しく深く学ぶことができる内容でした。

残念ながら期間限定の企画なので、現在では二条城を訪れても体験することはできませんが、今後はこうしたARを活用したナビゲーションが普及し、旅ナカの行動がよりパーソナルに変化していくと岩本氏は予想をしておられました。

PLAY! DIVERSITY SHIBUYA

渋谷区観光協会のプロジェクトPLAY! DIVERSITY SHIBUYAでは、渋谷の回遊と交流を促進することを目的にBEACON* を利用したアプリケーション”SHIBUYA BEACON NETWORK”を開発されています。

*ビーコン:低消費電力の近距離無線技術「Bluetooth Low Energy」(BLE)技術を使った発信機

渋谷の認知度は外国人にも高く、SNS上には写真投稿も多く見られるものの、その大半がスクランブル交差点の写真で、まだまだ充分に渋谷の魅力を訴求できていないことが課題のようです。また、渋谷エリアはホテルが少ないこともあり、観光客が訪れる時間は昼間に集中。ナイトタイムにいかに観光客を誘客するかも課題となっています。

そうした課題を解決すべく、来訪者の行動範囲やパターンを把握でき、それぞれの来訪者に適切な情報配信することができるアプリケーション”SHIBUYA PUBLIC BEACON PLATFORM”が開発され、現在は様々な企業や団体と連携して渋谷の魅力を発信されています。

事業づくりで大事な3つの力

最後に事業づくりで大事な力として「感じる力」「企む力」「巻き込む力」の3つを挙げられました。岩本氏のプロジェクトは、最新のテクノロジーを駆使しながらも、事業づくりで大事なこの3つの力はいずれもテクノロジーに置き換えられず、事業づくりの醍醐味を教えていただいたように思います。

アイデアソン

アイデアソン

KEY SPEECHの後のアイデアソンでは、岩本氏から2つのお題を出していただきました。前回同様、当日参加されたみなさんで即席のチームを作り、それぞれのチームで考えていただいたアイデアを発表していただきました。発表いただいたアイデアをこちらでも簡単にご紹介します。

「旅行中の観光客に“思いがけず”地域の魅力に出会ってもらう仕掛けとは?」

アイデア1:Beaconを活用した旅ナカ・マッチングサービス(リアルSNS)
→アプリ内に「周遊仲間募集中」等の機能を追加し、観光客同士もしくは現地の人と観光客をマッチングすることで出会いの輪を広げる

アイデア2:「人との出会い」「自分の国との歴史のつながりを感じること」や「フォトジェニックさ」
→現地の人と観光客をつなげる仕組み、現地の人と触れ合えるミッションゲームの設定(農業の手伝いなど)、その国を感じられるテーマのRPGゲーム(自分が主人公)の制作、きれいに撮影できる角度やいい写真が撮れるスポット等を情報提供するプラットフォームの構築

アイデア3:小さな発見に導くための仕掛け
→ビルとビルの間に地蔵がいるなど、思いがけないスポットを作る

アイデア4:屋外広告サービス
→アプリと風景が連動し、写真を撮影すると広告が出現、その写真を撮影者がSNSに投稿し、その投稿を閲覧者が見る際に広告が表示されるようになっており、1クリック何円という広告費が観光客に入るようにするシステムの構築

「2030年まで訪日外国人観光客を伸ばし続けるためには、何が必要だと思いますか?」

アイデア1:新興国をターゲットとした誘客
→人間ドッグを目的としたメディカルツーリズム、美容ツアー、アニメツアー、ハラル対応など

アイデア2:神社を利用した日本の文化や精神を学ぶツアー
→簡易版巫女検定、神社検定の実施、神社を宿泊施設にする、巫女の服装で写真撮影など

アイデア3:映画製作者の誘客
→日本国内での映画やMV等の撮影の規制緩和、新たな映画村の誘致など

さいごに

たくさんの外国人観光客が日本を訪れている中で、顧客体験をどのように提供するかがどのエリアにおいても課題となっています。そうした課題を新しいテクノロジーを用い、たくさんの人や企業を巻き込んだ新しい取り組みとして次々と仕掛けておられる岩本氏のKEY SPEECHではたくさんの学びがありました。

次回は、ウェルスナビ株式会社 代表取締役CEO 柴山和久氏をゲストにお迎えし、金融系スターアップを経営される柴山さんと新しい観光の可能性を探っていきます。

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